「パート」「アルバイト」という名称には、それぞれどのような違いがあるかご存知でしょうか。
普段何気なく耳にし、利用している言葉ですが、明確な違いについて分からない人も多いはず。「パート」「アルバイト」の言葉の意味をこの機会にしっかりと理解しておきましょう。

「パート・アルバイト募集!」といった謳い文句はよく目にしますが、この「パート」と「アルバイト」には、どういった違いがあるのでしょうか。
わざわざ分けて書くのだから、「きっと大きな違いがあるのだ」と考える人も多いと思われます。
「自分はパートとアルバイトのどちらに応募すればいいのだろう?」と悩んでしまい、二の足を踏むこともあるかもしれません。

本記事でパートとアルバイトの違いを確認し、その言葉の意味や実態を調べてみましょう。
有給休暇や社会保険についても説明していきますので、就職後に困らないための準備を進めてみてください。

パートとアルバイトは法律上、違いはない

結論から申しますと、パートとアルバイトには、法律上の違いがありません。
どちらも同じく「労働者」として扱われるため、給与形態や働き方に大きな違いは出ないのです。
労働基準法においては、パート、アルバイト、正社員、契約社員などもすべて労働者と呼ばれます。その中に差異はなく、均等に扱われる労働者という枠組みに、パートもアルバイトも所属しているのです。

パート、アルバイトの労働基準について

パート、アルバイトは労働基準においても違いはなく、どちらの名称で呼ばれても仕事の内容や労働条件は変わりません。
労働時間は一日8時間、週で40時間以内に収める必要があります。
この基準を超えて労働をした場合、定められている賃金に25%分をプラスして給料を支払わなければなりません。
さらに深夜業務の場合(22~5時まで)は25%、法定休日は35%分が割増されることになります。これら労働時間の超過分の賃金を、残業代と言う場合もあります。

休憩時間も決められていて、6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間の休憩が必要です。
「パートだから、アルバイトだから」といった理由で、これらの労働基準が変わることはありません。
そのためパートもバイトも、正社員と変わらない労働環境を得る権利があるのです。

参考:労働基準に関する法制度

有給休暇について

パートやアルバイトとして働いている場合にも、有給休暇の取得が可能です。
所定労働時間が週30時間未満、かつ週の所定労働日数が4日以下(もしくは年間216日以下)の人は、働いている日数と継続勤務日数によって有給休暇が付与されるのです。
基本的に、有給休暇は労働者のタイミングで使うことが可能であり、請求権は2年まで繰り越すことができます。

2019年4月から「年次有給休暇が10日以上付与される労働者」には、年に5日間の有給休暇を取得させる義務が発生します。
これはパート・アルバイトも同様に対応されるため、年間10日以上の有給が取得できる場合、必ず5日間の休みを取るようにしましょう。

参考: 年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説

社会保険について

健康保険や厚生年金といった社会保険に関しても、以下の条件さえ満たせばパートやアルバイトでも加入が可能となります。

・一週間の労働時間が20時間以上
・一ヶ月あたりの賃金が88,000円以上
・雇用期間の見込みが1年以上
・学生ではない
・従業員数が501人以上の会社(従業員数が500人以下の会社でも労使で社会保険への加入が合意されている場合はOK)

これらの条件に当てはまる場合は必ず加入が必要となるので、自分の労働環境をチェックしてみましょう。

参考:平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています!(社会保険の適用拡大)

パートとアルバイト、呼称について

パートとアルバイトに違いはありませんが、なぜ今のような呼称となったのでしょうか。
この機会に、労働環境に見られる歴史から、2つの呼び名の由来を確認しましょう。

「アルバイト」呼称の由来

「アルバイト」の由来は、ドイツ語の「Arbeit」からきているといわれています。
元々明治時代の学生によって使われていた言葉で、「仕事をする」という今とほとんど変わらない意味を持つ隠語だったとのこと。
アルバイトという言葉はそのまま現代に受け継がれ、略称の「バイト」と合わせて一般に浸透しているのです。

「パート」呼称の由来

「パート」はそもそも「パートタイム」の略称で、短い労働時間で働く従業員のことを指す言葉でした。
以前は、「フルタイム」で長時間働く人と、パートタイムで短時間働く人、といった線引きがされていたのです。今では「フルタイムのパート」といった言葉があるくらいなので、呼称による線引きには意味がないといえます。
あくまでも現代のパートは、その他の長時間労働の仕事と差はありません。

パートとアルバイト、なぜ違いがあると思われているのか

では法律上同じものと規定されているのに、なぜパートとアルバイトは違いがあるものと思われているのでしょうか。
違いが認知されないのには、意外な理由があったのです。

パートは主婦、アルバイトは学生というイメージが定着している

世間一般的に、「パートといえば主婦」「アルバイトといえば学生」というイメージが定着していることが、違いを生み出す原因だといえるでしょう。
「アルバイトの主婦」でも「パートの学生」でも問題はありませんが、何となく違和感を覚える人は多いと思われます。
固有のイメージを共有するという目的があるため、パートとアルバイトは別物という認識が広まってしまったのかもしれません。

企業が便宜上の理由から呼び名を使い分けていることがある

企業が職場での便宜上呼び方を使い分けているパターンも、パートとアルバイトを分ける原因のひとつです。
「パートは主婦の人」「アルバイトは学生の子」といった形で明確に分けている職場では、今後もパートとアルバイトの存在は別として扱われるでしょう。
そういった呼称を使い分けている職場は少なくないため、なかなか「パートとアルバイトに違いはない」という事実は浸透しないのだと考えられます。

まとめ

パートとアルバイトの違いは、意外にも多くの人が知らない情報です。
これから求人をチェックしていくと、「パート募集」「アルバイト募集」といった言葉にたくさん出会うでしょう。
この機会に本記事で情報を整理して、応募時に混乱しないよう準備をしておくことがおすすめです。
それぞれの言葉に惑わされないように、しっかり意味と内容を確認しておいてください。

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