労働者にとっての重要なモチベーションになり得るボーナスは、アルバイトでも受け取れる可能性があることをご存知でしょうか。
ボーナスについての基本知識と実際にアルバイトでボーナスを支給している企業を確認し、今働いている職場でもボーナスが適用される可能性があるか調べてみることがおすすめです。
給料以外の報酬として一般的な存在となっている「ボーナス」ですが、実はアルバイトでも支給される可能性があるのです。
大きな収入源となり得るため、アルバイトとして働く場合にもボーナスについての知識は事前に身につけておくことがおすすめされます。
ボーナスの基本知識を学んで、自分の労働環境に当てはまるか確認してみましょう。
そもそもボーナスとは?
ラテン語で「良いもの」を意味する「bonus」が語源といわれるボーナスですが、そもそも現代社会ではどのように使われているのでしょうか。
「夏と冬にもらえるご褒美」「給料の何ヶ月分かを一気にもらえる魅力的な制度」といった認識が、一般的かもしれません。
ボーナスを曖昧なままで覚えていると、いざもらえる環境にあっても気づけない可能性もあるので、事前に概要を知っておきましょう。
特に「アルバイトだから関係ない」と思っていた人は、この機会にその認識を変えてみるのがおすすめです。
正規の給与以外に与えられる賞与金のこと
ボーナスとは基本的に、毎月の給与以外に支給される賞与金のことを指します。
能率給制度のなかで、他の人よりも大きな成果を挙げた労働者に対して支払われた「割り増し分」が、ボーナスの元祖となるようです。
主に夏期、冬期、年末などが支給の時期となり、給料の数ヶ月分が金額の基準となります。
給料とは別で取得できるため、該当する時期は「ボーナス+いつもの給料」という形で支給されます。
企業によってタイミングや回数、支給条件などが変化することから、事前に制度の確認が推奨されます。
ボーナスは雇用条件の魅力に数えられることも多く、年収にも影響する重要なポイントです。
就職時はもちろん、その後の仕事におけるモチベーションを保つことにもつながるため、今後も労働を支える大切な制度として理解されていくでしょう。
ボーナスの支給がない企業も多い
ボーナスはあくまで企業側に決定権があるため、支払いに対する義務は発生しません。
そのため、ボーナスが支給されないからといって、労働基準監督署などに相談しても効果がないのです。法的な制約がないといった事情から、実際にボーナスを支給しない企業が多いのが現状となっています。
仮にボーナスを支払う会社であっても、誰に、いつ、いくら払うかを決めるのは会社であり、平等な対応が望めない場合もあります。
特に、正社員とアルバイトの壁が厚いことは多く、「ボーナスの条件に該当するのは正社員だけ」というパターンは珍しくありません。
しかし、基本的なルールが会社によって決められるという点は、アルバイトでもボーナスがもらえる可能性があることを示しています。
会社が定めた就業規則に書かれていれば、雇用形態がアルバイトであってもボーナスを断られることはないでしょう。
アルバイトでもボーナスはもらえる可能性がある
アルバイトにボーナスを支給する義務はありませんが、同時に支給してはいけないわけでもありません。
そのため、職場で重要な仕事をしていたり、正社員に近い待遇で働いていたりする場合は、ボーナスを受け取れる可能性があるでしょう。
労働環境が変わりつつある昨今、これまでアルバイトにはボーナスを支払っていなかった企業も、人材確保のために待遇を改善していくことはあり得ます。
今はもらえないとしても、今後バイト先の方針が変化することに期待して、可能性のあるパターンを確認しておきましょう。
アルバイトへのボーナスが認められつつある
一般的に「アルバイトはボーナスをもらえない」と認知されている一方で、その常識が少しずつ変わってきていることもさまざまな事情から見て取れます。
例えば、2019年2月に行われた大阪高裁では、正社員とアルバイトなどの非正規社員の格差が、労働契約法に示されている「不合理な格差」に当たると判断され、賞与の支払いを命じているのです。
「アルバイトだから」といった理由でボーナスを支払わないことは、違法になる可能性が出てきたと考えられるでしょう。
今後このような判例が増えていけば、企業側が積極的にアルバイトへのボーナスを採用することもあり得ます。
まだ始まったばかりですが、アルバイトをしながら定期的にボーナスを受け取るといった生活が、これからは多くの人に当てはまる可能性があるでしょう。
短期間・短時間での雇用条件では難しい場合も
アルバイトのメリットとして、短期間・短時間で働けるという点が挙げられます。
しかし、ボーナスを受け取りたい場合は、職場への貢献度が重要視されることがあるので、短い労働時間や短期間の務めでは取得が難しくなるかもしれません。
無条件でアルバイト全員にボーナスが配られるわけではないため、特に掛け持ちや単発バイトをするときには条件に当てはまらない可能性が高いです。
正社員にボーナスを支給している会社の場合、正社員と同等の労働条件で働くことがアルバイトにおけるボーナス取得の基準になり得ます。
アルバイトと正社員の垣根がなくなりつつある昨今、正規社員と同じだけの労働時間と責任を担っている人には、ボーナスの付与が実行される可能性があるでしょう。
今後アルバイトでボーナスを求めるのなら、正社員並みに働くことがひとつのきっかけになるかもしれません。
アルバイトのボーナス有無の確認方法
自分の職場がアルバイトへのボーナスを支給しているのかは、いくつかの方法で確認することができます。
これから応募する人はもちろん、既にバイトを始めている人も、あらためてボーナスの有無を把握しておきましょう。
雇用契約書の賃金規程、賞与規程などをチェック
雇用契約書に「賃金規程」や「賞与規程」に関する項目が書かれていれば、ボーナスの有無を確かめられます。
バイトを始めたときに契約書を交わした記憶がある人は、まずその内容をチェックしましょう。
雇用契約書とは別に、10人以上の労働者が常に働いている職場では、「就業規則」と呼ばれる労働条件を定める必要があります。
この就業規則にボーナスの条件が書かれている場合もあるので、合わせて確認しておくといいでしょう。
多くの企業が正社員とアルバイトで契約内容を別にしているため、自分の雇用関係に合ったものを調べる必要があります。
しかし、アルバイト用の契約内容を定めていない職場の場合、正社員の契約内容がそのままアルバイトにも適用されることがあるのです。
アルバイト向けの契約内容が見つからなかったときには、正社員がボーナスをもらう際の条件を確認してみましょう。
所属する企業にボーナスに関する説明を求めてみる
労働者を雇っている企業は、会社の規定に関する質問に答える義務があります。
そのため直接ボーナスの有無や条件について尋ねれば、説明を受けることができるでしょう。
説明を拒否した場合、それは立派な違法行為となるため、労働基準監督署から指導が入る可能性があります。
そのため、規程されているルールに問題がなければ説明してくれるはずなので、バイトの応募や面接の段階で確認してみるのもおすすめです。
アルバイトでボーナスを支給している企業を紹介!
企業のなかには優秀な人材の確保と労働への感謝のために、アルバイトへのボーナス支給を既に実行しているところもあります。
以下のような会社は条件を満たせばボーナスを受け取れる可能性があるので、アルバイトでの求人を探している場合は要チェックとなるでしょう。
マツモトキヨシ
ドラッグストアの大手「マツモトキヨシ」では、アルバイトスタッフにもボーナスを支給しています。
仕事の評価が支給額に反映される制度を取っているため、スタッフのモチベーションが高く、長期的に勤めるきっかけになります。
マツモトキヨシは「社員割引」や「相談窓口の設置」、「産前産後の休暇制度」といった福利厚生の充実にも力を入れています。
働きやすさを重視してアルバイトをしたい人にとっては、魅力的な職場になることでしょう。
富士そば
老舗の立ち食いそば店「富士そば」は、アルバイトを対象にしたさまざまな労働条件の整備を行っています。
ボーナス制度もその一つで、6月と12月の年2回に支給される条件は魅力的です。
有給休暇、社員採用、食事つき、各種報奨金などもあるため、やりがいを持って働くことができます。
労働者が「仕事をしたい!」と感じやすい環境を作っていることが、富士そばの特徴だといえるでしょう。
西松屋
「西松屋」では20年以上前から、アルバイトに対する賞与制度を始めています。
賞与の支給は年に2回、会社の設定した査定期間内に在籍していたすべてのスタッフに対して支払われるのです。
主婦、学生、フリーターに関わらずもらえるので、支給条件に悩まされることは少ないでしょう。
もちろん年齢も関係ないため、やる気があれば誰でもボーナスを受け取れる魅力的な職場となっています。
イオン
大型店舗を経営する「イオン」でも、アルバイト・パートへのボーナス支給は行われています。
支給は年2回と定められているので、半年のサイクルで充実した給与を取得することができるでしょう。
店舗の契約区分によってボーナスが支給される対象は変わるので、事前に自分が働く職場の条件を確認しておくのがおすすめです。
アルバイトにおけるボーナスのメリットは大きいため、支給されるようにシフトを調整してみてはいかがでしょうか。
まとめ
アルバイトでもボーナスをもらえる可能性があることは、働くときの気持ちを高めてくれます。
これから応募する予定の職場や、今働いている企業がボーナスを認めてくれるのかを、この機会に確認しておきましょう。
アルバイトでもボーナスを受け取る権利があるため、取得条件を調べることには何の問題もありません。
企業とフェアな関係で仕事をしていくためにも、ボーナスの有無は把握しておくことがおすすめです。