失業保険を申請したけれど、その受給だけで今の生活を維持していくことは難しいという人もいることでしょう。

そういった場合はアルバイトを行って、月々の収入を増やすことも可能となっているのです。

しかし失業保険の受給中に行うバイトには、守るべきいくつかのルールが存在しています。

無視をすれば大きな問題となることもあるので、こちらでそのルールとリスクをしっかりと確認しておきましょう。

ある程度の収入を確保することができる失業保険は、仕事を探している期間には欠かせないものとなるでしょう。

しかし待期期間や給付制限期間といった制度によって、すぐには給付を受け取れないケースも多いのは事実です。

そのため生活を維持するために、ときにはアルバイトをしなくてはならないこともあるでしょう。

失業保険の受給中であっても、バイトをすることは原則として許されています。

とはいえいくつかのルールを守らなければ、不正受給などの問題に発展してしまう可能性はあるのです。

こちらではそういった問題を回避するために、失業保険をもらっているときのバイトのやり方や、不正受給のリスクについて解説していきたいと思います。

トラブルを起こさないように、失業保険中にバイトをするときは1度チェックをしておいてください。

失業手当をもらってるときは仕事をしちゃだめなの?

失業手当をもらってるときは仕事をしちゃだめなの?

失業保険の申し込みを行い、実際に基本手当を受給している場合でも、バイトをすることは本人の自由となっています。

しかし失業保険を受給し続けるには、以下のような条件を満たす必要があるのです。

・1週間のうちに働いている期間が3日以内
・1週間で働く時間が20時間未満
・失業認定の期間(4週間)のうちに働く日数が14日以内

実際には明確な規定はなく、ハローワークの担当職員の判断によっては、バイトではなく就労とみなされる可能性はあります。

仕事に就いていると認識されれば失業保険の受給資格を失うことになるため、注意が必要となるでしょう。

しかし基本的に上記の3点を守っていれば、失業保険を継続したままバイトを行うことができます。

バイトを行う場合は労働時間と労働日数をあらかじめ計算して、上記の数値を超過しないように気をつけてください。

待期期間中のバイトはNG

失業保険の受給申し込みを行うと、7日間の「待期期間」を過ごす必要があります。

待期期間は失業保険を受給できないと同時に、アルバイトによる労働もNGとなっているのです。

例え数時間、数百円の収入であったとしても、働いたという事実があれば待期期間は延長されるので注意しましょう。

自己都合退社などの場合は、待期期間後さらに3ヶ月の「給付制限期間」があります。

給付制限期間は失業保険を受け取ることができませんが、バイトをすることは可能となるのです。

3ヶ月間生活に困るようなら、上記の条件をチェックしてバイトを探してみるのもいいでしょう。

雇用保険の加入条件を満たさないように

バイト契約であっても、いくつかの条件を満たすと雇用保険に加入することが可能となっています。

この雇用保険の加入条件を満たしてしまうと、基本的に就職したと認定されてしまうでしょう。

就職が決まったとされれば、当然失業保険の給付は中止となります。

あくまでそのバイトが次の就職のためのつなぎであるのなら、雇用保険の加入条件をチェックしておきましょう。

雇用保険の加入条件は、2018年現在以下のようになっています。

・31日以上雇用される見込みがある
・1週間の労働時間が20時間以上

上記を満たすと雇用保険に加入となってしまうので、バイトをする際には要確認です。

失業手当をうけているときのバイトは申告が必要

失業手当をうけているときのバイトは申告が必要

ここまでご紹介した条件を満たすことができれば、失業保険の受給中でもバイトをすることはできます。

しかしバイトをしているという事実は、きちんとハローワークに申告する必要があるのです。

失業保険の受給が決まると、雇用保険受給者の初回説明会で「失業認定申告書」という書類を受け取ることになります。

この失業認定申告書に収入のあった日付や金額を記入することで、バイトの申告を行うことができるのです。

1日に4時間以上の場合は「就職・就労」、1日4時間未満の場合は「内職・手伝い」に分類されます。

ちなみに収入にはならないボランティア労働も、記入して申告を行う必要があるので注意しましょう。

失業手当をもらってるのにバイトしたら不正受給になる?

失業保険の基本手当をもらいながらでも、きちんとルールを守ればバイトをすることは可能です。

しかしバイトについてはすべて自己申告となっているため、実際はハローワークに隠れながらでも働くことができるかもしれません。

もちろんそれは不正受給のリスクを高め、場合によってはさまざまなデメリットを及ぼすことになります。

では具体的にどのようなケースで不正受給と認定されるのか、まとめてチェックをしてみましょう。

申告しなかったら不正となる可能性がある

失業保険を受け取っているのに、きちんとバイトの事実を申告しなかった場合、不正受給として認定される可能性があります。

そのためどんなに少ない収入であっても、きちんと失業認定日にその期間内のバイトを申告するようにしましょう。

実際に労働した時間や収入よりも過少に申告するのも違反となり、無申告と同等の扱いを受けることもあります。

失業保険の受給中にバイトをしたのなら、その事実をすべて記載して申告することを心がけてください。

申告はバイトに限らず、パートや派遣、研修や日雇い労働も申告の対象となります。

労働形態に関わらず、とにかく「働いたのなら申告をする」という意識を持っておきましょう。

逆に求職活動をしていないのに架空の内容を申請した場合も、不正受給となるので合わせて注意をしておいてください。

内職や手伝いでも同様、収入を得たら不正受給になるかも

内職や手伝いでも同様、収入を得たら不正受給になるかも

実は内職や手伝いであっても、収入が発生すればそれは仕事として扱われることになります。

そのためハローワークに申告を行う必要があり、無視をすれば不正受給となる可能性があるのです。

内職や手伝い程度の仕事をいちいち申告するのは面倒に感じるかもしれませんが、失業保険を受給し続けるのであればそれは重要な作業となります。

申告を怠ったせいで不正受給認定を受けないように、内職や手伝いのときも申告は忘れないようにしましょう。

起業した場合も注意が必要

失業保険の受給中に起業を行った場合も、申告しなければ不正受給として扱われるかもしれません。

起業したからといってすぐに収入が得られるというわけではありませんが、ハローワークによっては開業した事実を問題視する可能性があるのです。

そのためもし基本手当をもらっている間に開業届を提出したのなら、きちんとその旨を申告するようにしましょう。

管轄しているハローワークによって対応は異なるようなので、起業の意志があるのならまずは担当者に相談してみるのがおすすめです。

不正受給を隠し通すことはほぼ不可能

例え不正受給をしたとしても、その事実がハローワークにばれることはないのではと考える人も多いかもしれません。

しかし現実問題不正受給を隠し通すことはほぼ不可能で、基本的にはいずれ発覚することになるでしょう。

その理由の1つが雇用保険となっていて、通常のバイトは一定の条件をクリアした従業員を雇用保険に加入させる手続きを行います。

その手続きを行う相手はハローワークとなっているため、簡単に不正を見抜かれてしまうでしょう。

また最近はマイナンバーを提出してから働くことになっているので、その内容を比べることですぐに働いている事実を発見することができるのです。

既にそういった失業保険の不正受給を防ぐシステムが出来上がっているため、隠れてバイトをするのはあまりに高リスクだといえるでしょう。

不正受給と判断されるとどうなる?

では実際に、ハローワークに不正受給と判断されてしまった場合、どのようなペナルティがあるのでしょうか。

ペナルティの有無や程度はそのときの状況によって変わりますが、基本的には以下のような内容が考えられるようです。

どれも金銭的な痛手となるものばかりなので、生活が苦しくなることが予想されます。

そのリスクの高さを理解して、失業保険の不正受給を行わないようにしましょう。

失業手当の支給停止

失業手当の支給停止

不正受給が発覚すると、まず最初に失業保険における基本手当の支給が停止されます。

その後も支給が再開されることはないので、事実上の資格剥奪だといえるでしょう。

離職した状態でさらに給付が滞ることになると、すぐにでも生活に影響が出てきます。

もちろんスムーズな就職活動もできなくなるので、そのデメリットはあまりにも大きなものとなるでしょう。

失業保険とバイトの給料を同時に受け取りたいのなら、定められたルールは必ず守るようにしてください。

返還命令による全額返金

基本手当の支給が停止された後は、続いて「返還命令」が通知されます。

返還命令とはこれまでに給付された失業保険を、全額返還しなければならないという制度です。

例え生活費として使っている場合でも、必ず全額の返還となるため、受給していた時期が長いほど大変な出費となることでしょう。

不正受給を頼りに生活をしてきた場合は、この返還命令によるデメリットを覚悟しなければなりません。

もちろんきちんとルールを守っていればこのような命令は出されないため、今一度不正受給のリスクがいかに大きいか認識しておきましょう。

納付命令による倍額の罰金

そして最後に、失業保険の不正受給者には「納付命令」と呼ばれる制度が適用されます。

納付命令とは「不正に受給した金額の2倍を納付する」という内容になっていて、不正受給に対する罰則のような位置付けだといえるでしょう。

先の返還命令と合わせると受給した額の3倍を支払うことになるため、非常に重い罰となります。

支払いの命令に従わなければ、延滞金の追加や、財産の差し押さえ等が行われることになるのです。

現在の生活を保つどころではなくなってしまうので、不正受給によるデメリットは計り知れないものとなるでしょう。

リスクを知ることが不正受給を思いとどまらせる

リスクを知ることが不正受給を思いとどまらせる

失業保険の不正受給に対しては、基本的に上記のような罰則が行われます。

それは非常に大きなリスクであり、家庭の状況によっては生活が一変してしまうことにもなりかねません。

例え不正受給によって一時的にお金を持てたとしても、このようなリスクを考慮すれば、決して割に合うことはないでしょう。

もし不正受給の誘惑が頭をよぎったときは、ここで知ったリスクを思い出してみてください。

不正受給のリスクをチェックできていれば、無駄な支払いにつながる行為を自ら避けることができるでしょう。

失業手当は失業時の保険、悪用はやめよう

失業保険は、失業した際の生活を支える重要な制度となっています。

それを悪用することは、決して褒められたことではありません。

誰かがやっていたから、少しでもお金を貯めたかったから、そんな言い訳をハローワークは聞いてくれないでしょう。

納付命令などを考えると、失業保険の不正受給はリスクとリターンがまったく見合っていない行為となることは理解できるかと思います。

自分の生活を守るためにも、失業時は正しいルールのなかで受給をするようにしましょう。

ルールを守ればバイトをしても問題はない

失業保険の不正受給について長く解説しましたが、ルールを守ったうえでバイトをするのであれば、問題は何もありません。

基本手当だけでは生活が難しいという場合は、ハローワークと相談しながら許される範囲でバイトをするようにしましょう。

「知らないうちに不正受給になってしまった」ということのないように、こちらでしっかりと詳細を確認しておくことをおすすめします。

余計なトラブルを招くことになれば、どうしてもその後の生活や就活に支障が出てしまうでしょう。

これからのためにも、失業保険の受給が決まったら最低1度はバイトについて調べてみてくださいね。

就職活動も忘れずに

失業保険とは、あくまで次の仕事が見つかるまでのつなぎとして利用すべき制度です。

いつまでも受給し続けることはできないので、きちんと就職活動を行うことも忘れないでください。

特にバイトをしながらの就職活動は、スケジュールの管理などが難しくなります。

バイトにばかり熱を入れたせいで就職の準備が疎かになってしまっては本末転倒となるので、意識して就活を行っていく必要があるのです。

自分で納得できる職業に就けるように、バイトと就職の両方を努力していくようにしましょう。

「お金・法律」の記事