ブラックバイトにありがちな特徴や辞め方を学んでおくことは、スムーズにバイトをするために必要な準備となります。
自分の身を守るためにも様々な対策を行い、ブラックバイトに困らされないように注意しておきましょう。

労働条件の改善が進んでいる一方で、世の中にはまだたくさんの「ブラックバイト」が存在しています。
労働者にとってマイナスな環境や契約は、貴重な時間と労力を無駄にする原因となってしまうのです。
ブラックバイトの被害を受けないように、ブラックバイトの特徴と辞め方、そして事前の対策を確認しておきましょう。

ブラックバイトとは?

ブラックバイトという名称はよく耳にしますが、実際にはどのようなアルバイトのことをブラックと呼ぶのでしょうか。
特に初めてバイトをする人は比較対象がないので、気づかないうちにブラックな環境で働いていたということもあり得ます。
まずはブラックバイトについての基礎知識を学び、その実態を確認しておきましょう。

労働条件の劣悪なアルバイト

基本的な労働環境が整っておらず、働く際の条件が劣悪なアルバイトを、一般的に「ブラックバイト」と呼びます。
労働者の弱みにつけこんで仕事に無理を強いる環境や、契約時とは違った条件で働かされた場合は、ブラックバイトであると考えることができるでしょう。
例えば、学生であるのに学業を優先させてもらえない、簡単には辞められない事情を利用して無理難題を言い渡される場合は、労働者にとって劣悪な環境となります。
良いアルバイト先は従業員を思いやり、自由な働き方を推奨してくれるものです。
そういった心遣いが見られないアルバイトは、ブラックな気質があるといえるでしょう。

ブラック企業になぞらえて提唱された言葉

ブラックバイトという言葉は、従業員を酷使する「ブラック企業」になぞらえて提唱されたのが始まりです。
最初は正社員の問題であったのに、近年はアルバイトに重要な仕事を任せることも増えてきたため、その負担がバイトにも広がってきたのが原因となっています。
従業員よりも会社の利益を優先するスタイルは、バイトにとって大きな負担となるのは当然です。
そういった感覚を疑問視しないブラック企業に就職すると、強いストレスによって働くことが苦痛になってしまう可能性があります。
ブラックバイトの知識をつけることは、将来ブラック企業への就職を避ける技術を磨くことにも繋がるので、今のうちに特徴を把握しておくのがおすすめです。

ブラックバイトの特徴

ブラックバイトにはいくつかの特徴があるため、実態を知ることでそのバイト先がブラックかどうかを判別することができます。
特に以下のような環境が当たり前になっているバイト先は、注意すべきでしょう。
少しでも当てはまる部分がある場合は、ブラックバイトであると考えて行動し、対策を取っていく必要があります。

賃金に問題がある

賃金に関する問題が多い職場は、ブラックバイトであると考えられます。
例えば、賃金の未払いや最低賃金以下の労働などが、ブラックバイトの特徴として認められるでしょう。
また職場で使う物品を購入したのに給料から天引きされたり、必要な経費が個人のお金から出されるような環境も、ブラックバイトの特徴です。
残業代を支払わないためにタイムカードの勤怠時間を偽装するといった例もあり、あらゆる形で賃金を誤魔化そうとする姿勢がブラックバイトには見られます。
賃金の面で不利益を被るようなことが一度でもあったのなら、ブラックバイトであると判断する必要があるでしょう。

労働条件に問題がある

ブラックバイトでは、シフトや労働時間のいい加減さが問題となることも多いです。
希望していたシフトを無視されたり、予定されていた時間よりも長く働かされたりといったことがあるのなら、その職場を見限った方が良いかもしれません。
また業務に必要な時間が多すぎるために、勤務時間を超過するバイトもブラックな気質があります。
仕事を終わらせるために休憩時間を削ったり、サービス残業によって給与以上の労働を強いられたりする場合は、ブラックバイト認定もやむなしです。
そういったバイトは基本的に仕事量に対してスタッフの人数が足りていない場合が多いので、自分以外の従業員が何人いるのかはあらかじめチェックしておきましょう。

働く人に問題がある

労働環境は人間が作るものであるため、働く人に問題がある場合もブラックバイトの特徴に当てはまります。
従業員に対するセクハラやパワハラが当たり前のものになっているのなら、問題のある職場として認知すべきでしょう。
また遅刻や欠勤が多い同僚がいる職場も、従業員を管理できていないという理由からブラックバイトの可能性があります。
そのしわ寄せで急にシフトが変更されたり、担当ではない仕事を強要されたりすることがあれば、スムーズにバイトをすることは難しくなるでしょう。
働いている人に違和感を覚えるようなバイト先であることも、ブラックバイトの特徴のひとつとなるのです。

ブラックバイトに引っかからないための対策方法

ブラックバイトの特徴を理解した上で、そんなバイト先に引っかからないための対策を考えていきましょう。
実際にその職場で仕事を始める前でも、ある程度ブラックバイトの空気は察知することができます。上手にブラックバイトを回避していくことが、理想的なバイト先を見つけるには欠かせないスキルです。
この機会に対策方法をチェックして、気持ちよく働くための準備をしていきましょう。

常に求人を募集していないか把握する

ブラックバイトは劣悪な環境のせいで、入ってもすぐに辞めてしまう人が多いです。
そのため、いつも求人募集をしている、またはたくさんの求人サイトで募集をかけている職場は、ブラックバイトである可能性が高いでしょう。
人が定着しないということは何かしら問題があるバイト先だと予想できるので、警戒する必要があります。
興味のあるバイトを見つけたとしても、しばらく求人状況を確認するのがおすすめです。

面接で見抜く

バイト面接はブラックバイトであるかどうかを見抜くための、重要な機会となります。
求人で掲載されていた条件と一致するか、必ず確認するようにしましょう。
もし求人情報と違う部分があった場合、面接の段階で質問しておくことを推奨します。質問に対する明確な答えが得られないようなら、ブラックバイトである可能性が出てくるでしょう。
また面接官の態度や言葉遣いが悪い場合も、要注意となります。
アルバイトという存在を軽視して不利な条件を要求してくる可能性が高いので、あまりに態度がひどい場合は面接の時点で辞退を考えることも必要です。

労働基準法を覚えておく

働く人が不利益を被らないように、国が労働基準法という法律を制定しています。
労働基準法を覚えておくことで、ブラックバイト特有の不条理さにすぐ気づくことができるでしょう。労働基準法を無視しているバイト先は、ブラックバイトの特徴もあります。
とはいえ堂々と求人の段階で労働基準法を破っていることは少ないので、面接時にできるだけ違法な部分がないか確認してみましょう。

アルバイトの労働基準法

労働基準法は正社員だけでなく、アルバイトを含む非正規社員にも適用されます。
労働時間や最低賃金など基本的なことを学び、バイト先から不条理な要求をされないようにしましょう。

労働時間

アルバイトは1日8時間以上、週で40時間以上の労働をすることはできません。
週何日働くかによって、時間を調整する必要があります。

休憩時間

1日の労働時間が6時間を超えた場合は45分以上、8時間を超えたら1時間以上の休憩が必要です。
例え忙しい職場だとしても、休憩なしで働かされる場合は労働基準法違反となります。

休日

最低でも週1日以上、月4日以上の休日を取る権利が、アルバイトにはあります。
シフトの都合があるとしても、あまりにも長い連続勤務は基本的に認められないことは覚えておきましょう。

残業代

労働基準法に残業代という概念はありませんが、基本的な労働時間を超えた分は割増して賃金を支払う必要があります。
25%~50%が基準となり、働いた残業時間によって金額が変わります。

最低賃金

アルバイトの時給には最低賃金が設けられているので、労働者はそれ以下の金額で働く必要はありません。
時給計算して最低賃金を下回っている場合は、問題のある会社として何かしらの対応を取る必要があります。

参考:平成30年度地域別最低賃金改定状況

万が一バイト先がブラックだった場合は素早く辞める

どれだけ注意していても、ブラックバイトに入社してしまう可能性はあります。
万が一ブラックバイトに入ってしまった場合は、素早く辞めることを推奨します。
いきなり辞めることには抵抗があるかもしれませんが、ズルズルと続けることにメリットはないため、すぐにでも辞める準備を進めるべきです。スムーズに辞めるにはそれなりの辞め方があるので、以下を参考にアルバイトの辞退を行いましょう。

どんな形でも良いので辞めることをハッキリ伝える

ブラックバイトであることがわかったら、とにかくまずは辞める意思を伝える必要があります。
はっきりと辞めることを話せば、辞職のための準備に取り掛かることができるでしょう。口頭で伝えにくい人は、電話かメールでもOKです。
ブラックバイトだから無断でバックレても大丈夫というわけではないので、きちんと辞める手順を踏んでいくようにしましょう。

辞めさせてくれなかった場合

ブラックバイトの性質によっては、理由をつけて辞めさせなかったり、場合によっては脅しのような言葉をかけられたりする可能性があります。
その場合は最寄りの労働基準監督署、もしくは労働総合コーナーなどへ相談してみましょう。
バイト先に非があるのであれば、多くの機関はあなたの味方となってくれますよ。

バイト先が働く人を縛ることはできない

バイト先と雇用契約を結んだからといって、全て会社に縛られることはありません。労働者は自由に働く場所を選び、自分らしい働き方を追求する権利があります。
バイト先から強い言葉で辞職を止められたとしても、気にする必要はまったくないのです。
ブラックバイトに屈することのないように、自分が持つ正当な権利はきちんと主張していくようにしましょう。

無理やり働かせることは絶対にできないことを伝える

ブラックバイトは労働者が労働基準法や法律の内容を知らないことを利用し、無理を押し通そうとする場合があります。
しかし人を無理やり働かせることは絶対にできないので、それをしっかりとバイト先に伝えるようにしましょう。
もし賠償金などの脅しをかけてきた場合、違法性を問われるのはバイト先となります。
ブラックバイトに勤めてしまっても、辞めることは簡単にできるので安心してください。

まとめ

ブラックバイトについて知ることは、自分自身の働く機会を守ることにつながります。
この機会にブラックバイトの特徴を把握し、対策を考えておいてください。
ブラックバイトに怯えることなく働くためにも、知識という武器はしっかりと手にしておきましょう。

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