会社を辞めたときにもらえる退職金、実はアルバイトやパートでも受け取れる可能性があることをご存知ですか。
条件や相場をチェックしておくことで、退職金を正しく取得するきっかけになるので、ぜひこの機会にアルバイトの退職金について確認しておきましょう。

辞職と共に給付される「退職金」は、仕事を辞める上で重要視される方も多いのではないでしょうか?
特に、会社勤めをしている人は、退職金を利用して老後を計画していることもあるようです。一方、アルバイトやパートの人は退職金を受け取るというイメージがあまりないため、自分ごと化できませんよね。

しかし、実はアルバイトやパートであっても、退職金を受け取れる可能性があるのです。
労働契約によっては潤沢なお金を得る可能性に繋がるので、受け取りの条件や相場を確認してみましょう。

そもそも退職金とは?

「会社を辞めたときにもらえるお金」というのが、退職金に対する一般的なイメージでしょう。
しかし退職金がどのような制度であり、どういったルールの下で成り立っているのかを知っている人は少ないです。
アルバイトやパートも退職金と無縁であるとは限らない現在だからこそ、退職金の基本的な内容を把握しておきましょう。

退職金の概要

その会社に勤めた人を対象に、感謝とねぎらいを込めたお金を支払うのが、いわゆる退職金と呼ばれるものです。
会社を辞めるタイミングで企業から支給されるため、基本的には就労中にすべてを受け取ることはできません。
老後の生活や資産運用に利用できることから、退職金を目標に仕事のモチベーションを保っている人も多いでしょう。

勤続年数や基本給によって金額は変わり、一つの会社に長く勤めるほど退職金の支払い額は大きくなります。
また、自己都合退社か会社都合退社かでも退職金にかけられる給付率が変化し、基本的には会社都合による退社の方が金額は高くなるでしょう。
勤続年数が短い(3年以下など)場合は、企業側の規定によって退職金が支払われないこともあります。

退職一時金、企業年金の2種類が基本

退職金には「退職一時金」と「企業年金」の2種類があり、それぞれのルールに従って給付が行われています。
自分の会社がどちらの制度を採用しているのか、どのような内容で運用しているのかを確認する必要があります。

退職一時金

一般的に退職金と呼ばれているのは、こちらの退職一時金です。
会社ごとに内容は異なり、支払われる金額や給付の条件等が変わるのが特徴
規定が自身の退職までに変更されなかった場合、通常は企業の都合に関わらず退職時に支払われます。

企業年金

退職後のある期間、もしくは一生涯かけて一定の額が給付される制度が企業年金です。
企業が任意に導入するものであり、退職一時金と併用して導入されることもあります。

退職金の仕組み

退職金制度は様々なメリットを成立させるために、独自の仕組みがあります。
それは退職金制度ならではの強みであり、労働者にとっての魅力になっているので、基本的なポイントをいくつか確認しておきましょう。

退職金は法律で定められていない

退職金制度は法律によって明確なルールが定められているものではないため、就職すれば必ずもらえるというわけではありません。企業側に支払う「義務」は存在せず、労働者側も請求する権利はないのです。
特に労働期間が短い場合は、退職金制度があっても対象にならないことがあります。

しかし、逆に会社への貢献が大きいと判断されたなら、多少の金額が支給される可能性もあるのです。
会社側の対応によって変化する可能性がある制度なので、退職金について就業規則などを定期的に調べてみるといいでしょう。

多くの企業が退職給付制度を採用している

退職金制度を採用するかどうかは、すべて企業次第となっています。
しかし、平成29年の調査によると、約8~9割の企業が退職金の支払い制度を導入しているのです。
企業規模が大きいほどにその割合は高くなり、1,000人以上の従業員を抱える企業では92.3%、300~999人は91.8%、100~299人は84.9%、30~99人は77.6%が退職金の給付を行っています。
結果を見ると多くの企業が、退職金を労働者に支払っていることがわかるでしょう。

参考:4_退職給付(一時金・年金)の支給実態|厚生労働省(第22表)

アルバイトでも退職金がもらえる可能性がある

先述した通り退職金制度は会社ごとに決められるものなので、アルバイトにも支払われる可能性があります。
今は「パートタイム労働法」によってアルバイト・パートの権利がしっかりと守られているため、退職金を受け取れるパターンは増えているのです。

パートタイム労働法について

職務の内容が正社員と同じであり、人事異動などの有無・範囲が同一のものと規定されているのなら、「パートタイム労働法」によって正社員とアルバイトに差異はないと判断されます。
そのため、正社員に退職金制度が当てはまる場合、同じ労働条件の下で働いているバイトにも退職金の支給が必要です。
同じ内容で働いているのに、正社員にだけ退職金が支払われているのなら、それは違法行為となります。
会社が採用しているルールに則った形で、アルバイトも退職金を請求する権利を得ることができるのです。

給付されている事例はまだ少ない

平成27年にパートタイム労働法が改定されてから、アルバイトでも正社員と同じ退職金を得る権利を持っています。
しかし、実際に給付されている事例はまだ少なく、そもそもバイトにも退職金があることを知らない場合も多いでしょう。
これからは「バイトでも退職金を受け取れる」という事実の周知と、退職時をサポートするサービスや企業努力の進展に期待したいところです。

正社員とアルバイトで就業規則が違うパターンも多い

正社員とアルバイトで別々の就業規則が作られている会社では、アルバイトにだけ退職金を支払わないというパターンもあります。
会社のルールがそのようになっている場合は、基本的に退職金を受け取ることはできないでしょう。
稀に、アルバイト用の就業規則を作っていない会社に勤めると、正社員の規則内容がアルバイトに適用されることがあります。
あくまで希少パターンですが、退職時には確認しておくことがおすすめです。

アルバイトの退職金支給有無の確認方法

退職金が支払われる可能性がある限り、アルバイトで働くときには退職金の有無を職場に確認することを推奨します。
退職金を気にするのは恥ずかしいことではないので、タイミングを見て以下の方法を試してみましょう。

就業規則に記載されている可能性がある

従業員が10名以上いる会社は、労働基準法によって「就業規則」を作成しなくてはなりません。
この就業規則には必ず記載しなければならない項目がいくつかあり、退職金に関わる事項もその中に含まれます。そのため、会社の就業規則を確認すれば、定められているルールを知ることができるでしょう。
一方で、規模の小さい会社には規則がないこともあるため、その場合は直接訊ねることが求められます。

退職金に関する説明を求めてみる

現在バイトを採用した事業主には、労働者に対して賃金などに関する内容を説明する義務が発生します。
そこには、もちろん退職金の有無も含まれるので、基本的にこちらから質問をすれば説明を促すことができるでしょう。
退職金について話してくれない場合は、労働基準監督署への相談などを行い、事実について確認することもときには必要です。

退職金の相場

退職金の金額は会社によって変化しますが、一般的な相場は存在します。
事前に確認しておけば、仮にアルバイトで退職金を受け取れることになった場合に、その後の運用を計画することができるでしょう。

平成29年度の退職給付制度での退職金相場

平成29年の1年間で、勤続20年以上かつ年齢が45歳以上の人に支給した退職金の額は、それぞれ以下のようになっています。

リス太
リス太

大学・大学院卒(管理・事務・技術)1,983万円
高卒(管理・事務・技術)1,618万円
高卒(現職業)1,159万円

これらはすべて「定年」を理由とした退職金額であり、自己都合による退社の場合は減額、会社都合と早期優遇による退社の場合は増額します。

アルバイト・パートでも、これからパートタイム労働法の改定内容が広まっていけば、退職金を受け取る機会は増えると予想されます。
事前に相場を確認し、金額の目安をつけておくことは、仕事のモチベーションアップにもつながるのでおすすめです。

参考:4_退職給付(一時金・年金)の支給実態|厚生労働省

まとめ

アルバイトでも退職金をもらえる可能性があることに、驚く人も多いかと思われます。
現状のルールに照らし合わせれば支給されることは十分にあり得るので、この機会に今働いている職場やこれから応募をする会社の退職金制度を調べてみるといいでしょう。
将来的に長く働くことを考えているのなら、退職金というゴールを目標にしてみるのも、バイトをする一つの理由になりますね。

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